Claude Coworkを自分仕様に育てる:コネクタ・指示・スキル・プラグインの3レベル
Claude Coworkは、ファイルやツールを横断してさまざまなタスクをこなしてくれますが、真価を発揮するのはカスタマイズしてからです。一度設定してしまえば、以降のすべてのタスクが「システムはつながっていて、チームのプロセスも織り込み済み」の状態からスタートします。この記事では、そのカスタマイズを3つのレベルに分けて整理します。
レベル1:背景情報とツールを与える
コネクタ:仕事がある場所にCoworkをつなぐ
コネクタは、すでに仕事が存在するシステム——Slack、Salesforce、Microsoft 365、Jira、会社の内部ツールなど——にCoworkを組み込む仕組みです。タスクを理解するための背景情報と、実行するための能力の両方を与えます。有効にすると、Claudeはデータを読み取るだけでなく、チケットの更新、返信の下書き、チャンネルへの投稿、ファイルの保存といった「書き戻し」もできるようになります。
設定は、左サイドバーのカスタマイズパネルから。一度承認すれば、以降すべてのセッションでそのツールを使えます。
なおEnterpriseでは、利用可能なコネクタ(Claude in Chromeを含む)や、各コネクタの読み取り専用/書き込み権限を管理者がコントロールします。特定のセッションで有効にするツールは、カスタマイズメニューやチャットバーから個別に調整可能です。
指示(Instructions):常に守ってほしいルールを定着させる
指示は、Claudeの動作を規定する固定ルールです。トーン、フォーマット、最初に確認すべき情報源、従うべき慣習などを設定しておけます。階層は3つあります。
グローバル指示:すべてのCoworkセッションに適用。設定 → Cowork → グローバル指示 で編集(デスクトップアプリのみ)
プロジェクト指示:そのプロジェクト内でのみ適用され、グローバル指示より優先。プロジェクト右パネルの「指示」から編集
組織指示(Enterprise):管理者が設定する組織全体のガイドライン。Chat・Cowork・Codeの各機能に、ユーザー自身の指示と合わせて適用
ここで押さえたいのが指示とスキルの使い分けです。指示は「何をしていても常に適用されるバックグラウンドのルール」、スキルは「特定の種類のタスクにだけ読み込まれ、チームメイトと共有できるもの」。つまり、一般的なルールは指示に、繰り返すプロセスはスキルに、が原則です。
レベル2:プロセスを捉える
スキル:ベストプラクティスを実行可能な形にする
スキルは、繰り返し発生する特定のタスクをClaudeが完遂できるようにする指示ファイルです。個人のベストプラクティスやチームの専門知識を、何度でも実行できる形に落とし込めます。
使い方は2通り。/skill-name のように直接名前で呼び出すか、タスクを普通の言葉で説明するだけです。内容が合致すれば、Claudeが自動でスキルを読み込みます。
面白いのは作り方です。Coworkでいつも通りワークフローを実行し、最後にClaudeへ「今やったことをスキルにパッケージして(Package what we just did into a skill)」と頼むだけ。ビルトインのスキルクリエイターが手順・テンプレート・参照ソースの場所を捕捉してくれるので、次回からは1つのプロンプトで同じ作業が再現できます。
レベル3:バンドルして共有する
プラグイン:コネクタとスキルのセットをチームに配る
プラグインは、コネクタとスキルをひとまとめにしたパッケージです。チームメンバーは、作業開始に必要なものを一式そのまま受け取れます。
Anthropicは一般的な職種向けの既製プラグインを公開しており、それぞれ役割に必要なコネクタと中核ワークフローのスキルが組み合わされています。
Sales:Salesforce + Outlook。会議準備、フォローアップ記録、パイプライン確認、バトルカード作成
Product:Jira + Confluence + Slack。フィードバック分類、PRD作成、スプリント進捗報告、競合製品分析
Legal:SharePoint + Word。契約書の種類別レッドライン、規制動向モニタリング、契約更新の追跡
Operations:Jira + Salesforce。案件の優先順位付け、エスカレーションのルーティング、顧客オンボーディングのキックオフ
カスタマイズサイドバーから利用可能なプラグインを閲覧できるほか、Claudeに頼めば、自分のコネクタとスキルをカスタムプラグインにまとめてチームと共有することもできます。
おすすめの進め方
典型的な流れはこうです。まずコネクタと指示から始める → 同じタスクを数回実行したらスキル化する → チームメイトに「どうやって設定したの?」と聞かれたら共有する。プラグインは、管理者が組織の標準設定をロールごとに展開するための手段、という位置づけです。
設定が終わったら:さらに活用範囲を広げる2つの機能
スケジュールタスク。設定した時間にプロンプトを実行し、接続済みのすべてのデータにアクセスできます。作ったスキルを「平日の毎朝9時に自動実行」といった形で回せるので、手動起動すら不要になります。任意のセッションで /schedule と入力すれば設定できます。
アーティファクト。セッションをまたいでサイドバーに残り続けるダッシュボード、トラッカー、比較ビューです。いつでも開いて、「コネクタの最新データで更新して」とClaudeに頼めます。
まとめ
コネクタで「つなぎ」、指示で「ルールを固定し」、スキルで「プロセスを再現可能にし」、プラグインで「チームに配る」——この4点セットがCoworkカスタマイズの全体像です。最初から全部やる必要はなく、コネクタと指示だけでも体感は大きく変わります。繰り返している作業に気づいたら、それがスキル化のタイミングです。