隣で一緒に働くか、留守中に走らせるか:Claude Coworkの「委任」と「スケジュール実行」
Claude Coworkを使い始めた人が最初にぶつかる分かれ道は、たいてい同じところにあります。指示を出しながら一緒に進めるべきか、丸ごと任せて別のことをすべきか。そしてもう一段先に、そもそも自分が指示を出さなくても勝手に走ってくれる状態にできるのか、という問いがあります。
Claude Academyのチュートリアル「Delegating and scheduling tasks in Claude Cowork(Claude Coworkでのタスクの委任とスケジュール実行)」は、この2つを1本の動画(4分)で扱っています。
なお、このページは動画中心の構成で、本文はチュートリアルの概要文のみです。そのため本記事では、動画固有の画面操作までは踏み込まず、公式ヘルプセンターの一次情報(「Schedule recurring tasks in Claude Cowork」および「Get started with Claude Cowork」)で枠組みを補強しています。 動画そのものの内容を推測して書き足すことはしていません。
チュートリアルが扱っている範囲
公式の概要文が述べているのは次のことです。Claude Cowork は、完結した複数ステップの仕事を委任できる仕組みである。入力を与えたいときにはClaudeの隣で一緒に作業でき、そうでないときにはタスクをスケジュールで走らせて、自分は別の優先事項に集中できる。
そして動画で実演されるのは2つです。ひとつは重要な商談の準備——カレンダー、Slack、メール、過去の議事メモという複数のソースから文脈を集めてくる流れ。もうひとつは定期タスクの設定——好みのスケジュールで自動的に走る繰り返しタスクを組む流れです。
つまりこのチュートリアルは、「1回きりの委任」と「繰り返しの委任」を同じ画面の中の連続した動作として見せる構成になっています。
「一緒に働く」と「任せる」を分けているもの
公式ヘルプセンターによれば、この差を決めているのは、承認モード(approval mode)です。3つあります。
Manual(Manually approve/手動承認) では、Claudeは行動する前に必ず止まって許可を求めます。隣で一緒に作業する、という状態がこれに当たります。
Auto(Automatically approve/自動承認) では、Claudeは作業を続けながら安全性のレビューを行い、危険な操作をブロックします。ただし追加のチェックを走らせるため、他のモードより利用上限の消費が大きくなると明記されています。
Skip(Skip all approvals/すべての承認をスキップ) では、Claudeは許可を求めて止まることなく進みます。
コネクタ側にも「Always Allow」「Needs Approval」「Blocked」の設定があり、承認モードとの組み合わせで挙動が決まります。たとえばAutoモードでは、読み取り専用のツールは承認済みとして扱われ、書き込みや削除を伴うツールについてはClaudeが判断します。「Blocked」に設定したコネクタは、どのモードでも拒否されます。
どのモードでも、Claudeが何を計画し何をしているかは常に見える状態に保たれる——必要なときに舵を切れるように、という設計思想が公式ドキュメントに書かれています。
委任したタスクが実際に走る仕組み
タスクを委任すると、Claudeはまずリクエストを分析して計画を立てます。複雑な仕事であればサブタスクに分解し、必要に応じて複数の作業ストリームを並行して進め、隔離された環境でコードやシェルコマンドを実行します。完成した成果物はセッションに届き、プレビューとダウンロードができます。
ここで実務上重要なのは、セッションがAnthropicのサーバー上、つまりクラウドで動くという点です。デスクトップアプリを閉じても作業は続きます。「席を離れている間に走らせる」という使い方が成り立つのは、この構造があるからです。
デスクトップ版では、接続したフォルダを通してローカルファイルにもアクセスできます。どのフォルダにアクセスを許すかは利用者が握ります。フォルダ単位の指示(folder instructions)を置いてプロジェクト固有の文脈を与えることもでき、Claudeがセッション中にそれを自分で更新することもあります。
スケジュール実行の設定
繰り返しタスクは、左サイドバーの「Scheduled」から入る「Scheduled tasks」ページで作成・管理します。公式ヘルプセンターによれば、スケジュールタスクは有料プラン(Pro / Max / Team / Enterprise)のCoworkで利用できます。
作成方法は2つあります。
Create with Claude(Claudeと一緒に作る) の場合。Scheduled tasksページで「New task」→「Create with Claude」を選ぶと、スケジュールタスクを作るためのプロンプトがあらかじめ入った状態になります。Claudeが選択式の確認質問を返してくることもあります。提案されたタスク名・スケジュール・動作内容を確認し、「Schedule」を押せば有効化されます。
Set up manually(手動で設定する) の場合。「New task」→「Set up manually」を選び、モーダルでタスク名、動作内容を記述したプロンプト、承認モード、頻度、(任意で)モデル、(任意で)作業フォルダを埋めて「Save」を押します。
頻度として選べるのは、毎時、毎日、毎週、平日のみ、そして手動(必要なときに実行)です。
走るときに何が起きるか
各スケジュールタスクは、それ自体が1つのCoworkセッションとして動きます。 リモートで実行されるため、自分の端末の状態に関係なくスケジュールどおりに走ります。Coworkのセットアップで構成したコネクタ、スキル、プラグインを使えます。組み込みのスケジュール選択肢と、コネクタ、そしてClaudeアカウントに保存されたファイルを組み合わせて動く、という説明です。
Scheduled tasksページからは、作成済みのタスク一覧の確認、今後の実行予定と過去の実行履歴の確認、個別タスクに入って指示や頻度を編集、一時停止と再開、削除、そして今すぐ実行が可能です。
なお、1アカウントあたりのスケジュールタスク数の上限は公式ドキュメントに明記されていません。
まとめ
このチュートリアルの本質は、Coworkの使い方に「一緒に働くモード」と「留守中に走らせるモード」という2つの姿があり、それを切り替えているのは承認モードとスケジュール設定という具体的な2つのつまみだ、という整理にあります。委任の巧拙は、プロンプトの上手さよりも先に、この2つをどう設定するかで決まる部分が大きい、と言い換えてもよいでしょう。
業務への応用として現実的なのは、まず手動承認モードで1回一緒に走らせ、出てくる成果物が期待どおりになったところで同じ指示をスケジュールタスクに登録する、という順番です。週次レポートの下書き、月曜朝のメール棚卸し、定例前の資料集約といった「毎回やることが決まっている割に毎回手を動かしている」仕事が、最初の候補になります。頻度として「平日のみ」が選べるのは、日本の業務カレンダーとも相性がよいところです。
最初の一歩としては、いま自分が毎週手作業でやっている仕事を1つ選び、それを手動承認モードで一度Coworkに委任してみることをおすすめします。うまくいったら、そのまま /schedule で毎週の予定に変えてしまえばよい。本ブログで既に取り上げた「Claude Coworkに『最初のタスク』を任せるまで」が入口編、この記事が定着編にあたる関係です。
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