1. Softdocsのクラウド移行と課題
オンプレミスソリューションを提供してきたSoftdocsは、クラウドベースのSaaS製品への移行を進める中で、クラウドネイティブなフォームビルダーの開発を始めました。しかし、この新製品と既存のEtrieve製品群をシームレスに統合するには、より高度なアイデンティティ管理ソリューションが必要でした。従来のオープンソースのアイデンティティ管理は、SAML 2.0やOAuth 2.0など複数のプロトコルやクライアント固有の要件への対応が複雑で、SSOの実装にも多大な時間がかかるという課題を抱えていました。
2. Fronteggを選定した理由
Softdocsは、セキュアかつ柔軟なクラウドネイティブのアイデンティティ管理ソリューションを提供できるパートナーを探し、Fronteggを採用しました。Fronteggは、証明書の自動更新や複雑な設定作業の削減を実現し、クライアントのSSO実装を数日から数分に短縮する機能を提供しました。この選定は、技術的な簡素化だけでなく、顧客体験や運用効率を向上させる重要な決断でした。
3. 新システムの導入と効果
6か月間の統合作業を経て、Softdocsは新しいアイデンティティ管理ソリューションを全てのクラウドクライアントに提供可能になりました。この結果、クライアントはMFAの導入、カスタムログインボックスの活用、パスワードリセット機能の向上など、新たな利便性を享受できるようになりました。一方で、エンジニアリングチームは設定作業から解放され、セキュリティチームはNIST準拠のセキュリティ標準に基づく運用を可能にしました。
4. 成果と今後の展望
Fronteggとのパートナーシップにより、Softdocsはアイデンティティ管理の負担を軽減しつつ、ユーザー体験とセキュリティの両面で大きな進化を遂げました。この協力関係は、Softdocsがクラウド移行を成功させる上での重要な鍵となり、他のベンダーにも優れたサポートとコミュニケーションのモデルを示すことになりました。今後も、Softdocsはこの基盤を活用し、より高度なクラウドサービスを提供する道を切り開いていく予定です。