最近、AI機能を後付けで追加し、複数のツールを無理に連携して運用しているケースが目立っています。しかしこのような構成では、データの一貫性が損なわれやすく、保存場所の分散、障害時の影響拡大といった問題が発生しやすくなります。
実際、私が見たあるカスタマーサポートの現場では、AIを活用するために4つの異なるシステムを連携させており、情報の所在がバラバラで管理も煩雑な状態に陥っていました。
あるプロセスを2つのシステムで運用する場合と、4つのシステムで運用する場合では、障害発生率は2倍以上に上がります。
ここで、Intercomのようなプラットフォーム型ツールを活用すれば、AIチャットやワークフロー自動化といった機能をアドオンのみでシンプルに拡張でき、システム全体を統一された構成に保つことが可能です。
Intercomが提供するFin(AIカスタマーボット)は、問い合わせの最大50%を自動解決した事例もあり、ナレッジベースとの連携による回答精度や文脈理解にも優れています。人間のような自然な対応を再現しつつ、業務効率を大きく向上させるAIです。
また、AtlassianもAI統合において大きな進化を遂げています。Atlassian IntelligenceはJiraやConfluenceに組み込まれており、チケットの要約、優先度の自動判断、提案生成などを実現します。さらに、Rovo(アトラシアンのAIナレッジエージェント)はSlackやNotion、Google Driveなどを横断して情報を検索・統合し、自然言語での質問に即応できます。
RovoはAtlassianのTeam’25でPremium plan以上の製品で同梱されることが発表されています。
Atlassian Team '25 発表内容まとめ:Rovo全ユーザー提供開始、Loom統合、戦略/開発/インフラ強化まで一挙紹介
これらのAIは、単なる“おまけ機能”ではなく、現場の意思決定支援や顧客対応の質の向上に直結する実用的な性能を持っています。
AI活用を本格化させるのであれば、個別機能を寄せ集めるのではなく、AIを中核に据えて設計された統合型プラットフォームを選ぶことで、運用の効率性・拡張性・可用性を高いレベルで両立することが可能です。