2025年6月23日、AtlassianはJ Software(クラウド版)における「プロジェクト(Project)」という用語を「スペース(Space)」に置き換えることを発表しました。この変更はConfluenceの「スペース」と整合し、Jiraのコンテナ概念をより汎用的に表現することが狙いです。
1. 発表のポイント
項目 | 内容 |
対象製品 | Jira Software、Jira Service Management、Jira Product Discovery(いずれもクラウド版) |
変更前 | 「プロジェクト(Project)」 |
変更後 | 「スペース(Space)」 |
ロールアウト開始 | 2025年10月(段階的に展開) |
影響範囲 | ナビゲーションや画面上のラベル、ドロップダウンメニュー、ヘッダー表記、UIアイコンなど |
不変事項 | プロジェクトキー(例:ABC-123)やAPIエンドポイント(例: |
2. 変更の背景と意図
2.1 用語の一貫性と汎用性
Confluenceにも「スペース(Space)」という用語があり、両製品間で同一のコンテナ概念を用いることで学習コストを低減。
従来「プロジェクト」と聞くと「開始・終了が明確な時間制約のある取り組み」を連想しやすいが、現代の継続的デリバリーやBAU(Business As Usual)には必ずしも合致しない。
「スペース」という汎用的な名称に置き換えることで、開発チームだけでなくマーケティング、カスタマーサービス、品質保証などあらゆる部門で同一プラットフォームを利用しやすくする狙いがある。
2.2 ユーザー混乱の低減
複数チームが同一インスタンスを共有する際、「Jiraプロジェクト=特定チーム専用領域」という誤解を招いていた。
Confluenceのスペースも同じ「Space」概念であることから、領域管理の考え方を統一し、誤解を減らす。
3. 具体的な変更内容
用語表示の置換
グローバルナビゲーション、サイドバー、ヘッダー、ダッシュボードなどのUI上の「Project」表記を「Space」に変更。
アイコンも小惑星を模した「スペース」向けデザインにアップデート2。
影響範囲
表示面:画面上の全てのテキストラベル、ログイン後のドロップダウンメニュー、検索候補など。
APIレスポンス(一部):UI向けの表示文字列を返す箇所は「space」に直されるが、エンドポイントやフィールド名は従来どおり“project”を維持1。
変更されないもの
プロジェクトキー(例:ABC-123)
REST APIエンドポイント(例:
/rest/api/3/project
)権限スキーム、ワークフロー設定、ボード構成など、機能や設定の構造自体。
4. 導入タイムライン
フェーズ | 期間 | 内容 |
発表 | 2025年6月23日 | コミュニティフォーラムおよび公式ブログでアナウンス |
ロールアウト準備 | 2025年7~9月 | ドキュメント・ヘルプセンターの更新、管理者向け案内 |
名称表示変更(段階的展開) | 2025年10月~ | ユーザー画面への「Space」表示切り替え開始 |
完全移行 | 2026年前半 | 全ユーザー環境で「Space」名称が標準化(予定) |
この名称変更により、Jiraを組織横断的に導入・活用する際の用語統一性が高まり、複数部門間での混乱が軽減されます。各種ドキュメントやトレーニング資料を早めに準備し、2025年10月のロールアウトに備えましょう。