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AI機能を持つSaaS選定で見落としがちなセキュリティとリスク|AI時代の注意点

AI搭載SaaSが増える一方で、開発元の国籍やガバナンス、セキュリティ体制を十分に確認しないまま導入が進むケースも見られます。利便性だけで選ぶと、後から監査や統制で問題になることもあります。SaaS選定時に押さえておきたいセキュリティリスクや背景確認の視点を整理し、安心して使えるSaaSの見極め方を解説します。

3週間以上前に更新

最近はAI搭載をうたうSaaSが増え、「とりあえずAIがあれば良さそう」と感じる場面も多くなりました。ただ、大企業や日本企業の現場では、セキュリティや統制、運用の説明が難しく、導入後に止まってしまうケースも少なくありません。SaaSをAI前提で検討する際に押さえておきたい実務視点を整理し、SaaS選定でのプロンプトの例を以下に提示します。

また、Atlassian Rovoを例に、現場で使い続けられるAIの条件を考えていきます。

SaaS検討時に使う

AI向け評価プロンプト(完全版・Enterprise / AI前提)

SaaSを検討する際、以下の観点で日本企業(特に大企業)が中長期で利用できるかを評価してください。

1. 事業・ガバナンス視点(継続性)

  • 創業者・経営陣の国籍/経歴/過去のEXIT

  • 投資会社・ラウンド履歴(戦略投資か財務投資か)

  • 過去5年の売上・ARR成長推移

  • 黒字化状況・資金枯渇リスク

  • 買収リスク/買収後のプロダクト継続性

評価視点
→ 3年後・5年後も「普通に使えている」可能性が高いか

2. セキュリティ・コンプライアンス

  • SOC2(Type I / II)

  • ISO27001

  • FedRAMP(対応有無・レベル)

  • GDPR / DPA

  • Trust Centerの有無と内容の具体性

  • 日本企業向けセキュリティ資料の出しやすさ

評価視点
→ 情シス・監査・法務で止まらないか

3. プロダクト思想・成熟度

  • IT部門向けか、現場主導か

  • 単機能SaaSか、業務横断を前提としているか

  • AIが

    • 補助(検索・要約)

    • 判断(提案・優先度付け)

    • 実行(自動化・エージェント)
      のどこまで踏み込んでいるか

  • AIが運用コストを下げる設計か、設定を増やす設計か

4. 機能評価(表面的比較を避ける)

  • 機能一覧(公式ベース)

  • 他社との比較

  • 実際に使われる機能/死蔵されやすい機能

  • 権限・ロール設計の柔軟性

  • API / Webhook / 連携の現実的制約

5. ユースケース・運用視点

  • 想定ユースケース(理想)

  • 日本企業での実ユースケース

  • 導入初期/定着期/拡張期での使われ方

  • 利用部門拡大時の摩擦

  • 解約理由(可能なら)

6. 導入企業の質

  • 導入社数だけでなく

    • 業種

    • 規模

    • IT成熟度

  • ロゴ掲載企業が本当に使っているか

  • SI主導か、プロダクト主導か

7. コスト・契約条件

  • 初期費用・最低契約期間

  • 課金体系(ユーザー/機能/イベント/AI)

  • AI機能は標準かオプションか

  • 値上げ履歴・頻度

  • 解約時のデータエクスポート可否

8. 内製 vs SaaS 判断

  • 内製した場合の

    • 開発コスト

    • 運用コスト

    • 属人化リスク

  • SaaSを選ぶことで

    • 考えなくてよくなること

    • ブラックボックス化する部分

9. AIアーキテクチャ/独自フレームワーク

  • AIは後付けか、プロダクト中核か

  • 独自AIフレームワークの有無
    (ルーティング/評価/ガードレール)

  • 利用しているLLM

    • OpenAI / Anthropic / Google / OSS 等

  • マルチLLM対応か、ベンダーロックインか

  • モデル切替時の影響

  • プロンプト管理・評価(versioning / A/B / ログ)

  • 顧客データの学習利用有無(opt-out可否)

10. Enterprise利用適性

  • Enterpriseプランは価格だけか、機能的に別物か

  • SSO / SCIM / RBAC の粒度

  • 監査ログ(AI利用含む)

  • データ保持期間・リージョン選択

  • Private / Dedicated / VPC 対応

  • SLA / サポート体制(日本対応)

  • 情シス承認フローへの耐性

11. 大企業 × AI で詰まりやすい点

  • AIの誤回答・幻覚への設計

  • 人レビュー前提か、自動実行前提か

  • 業務ログ・監査との相性

  • 現場裁量と統制のバランス

  • 「AIが説明できない」問題への対処

Atlassian(Rovo)を例にした具体評価

Rovoの中核:Teamwork Graph

  • Jira / Confluence / JSM 等に分散した人・課題・ドキュメント・履歴・関係性をグラフとして保持する基盤

  • 単なる検索やRAGではなく仕事の文脈そのものを構造化

重要な構造

  • LLMの上にRovoがあるのではなくTeamwork Graphの上にLLMがある

AIフレームワークとしての特徴

  • 権限・役割・関係性をAI実行前に確定

  • 「誰が・どの立場で」聞いているかを前提に回答

  • 権限を越えない検索・要約

  • 部署・役割ごとに答えが変わるAI

→ EnterpriseでAIが暴走しにくい設計

Enterprise適性(Atlassian)

  • Enterprise Cloud / Atlassian Guard など
    統制レイヤーが明確

  • SSO / SCIM / RBAC / 監査ログ:強い

  • データ管理・リージョン選択あり

  • 日本企業での実績が多く説明しやすい

まとめ

  • AI比較は「LLMの賢さ」では判断できない

  • 業務文脈をどこまで構造化しているかがEnterpriseでは決定的

  • Rovoの本体はAIではなくTeamwork Graphという下の層

貴社の状況に合わせた導入や活用についてのご相談は、

下記よりお問い合わせください。

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