メインコンテンツにスキップ

Claude Coworkのディスパッチ:スマホからタスクを依頼してコンピュータを操作する

Claude Coworkの「ディスパッチ」は、スマホのClaudeアプリからタスクを送ると、自宅やオフィスのPC上でClaudeが作業してくれるベータ機能(Pro/Max向け)。ローカルファイルやGmail・Slackなどのコネクタに加え、コンピュータユースを有効にすればマウス・キーボード操作でアプリも直接動かせる。利用にはPCが起動しClaudeアプリが開いている必要がある。PCオフでも動くクラウドセッションとは実行モデルが異なり併存。まずは朝のブリーフィングなど軽いタスクから試すのがおすすめ。

スマホから自分のPCを動かす:Claude Coworkの「ディスパッチ」とは

Claude Coworkには「ディスパッチ」という機能があります。ひとことで言えば、スマホのClaudeアプリからタスクを送ると、自宅やオフィスのコンピュータ上でClaudeが作業してくれる仕組みです。外出先からタスクを投げておけば、Claudeがあなたのファイル、ブラウザ、インストール済みアプリを使って仕事を進め、終わったら返信してくれます。

さらに「コンピュータユース」を組み合わせると、Claudeは人間と同じようにアプリを開き、マウスとキーボードを操作できます。ファイルのエクスポート、フォームへの入力、他の方法ではアクセスできないツールの操作までこなします。

ディスパッチは、スマホから送ったタスクを完了させるために、Claudeにあなたのコンピュータへのアクセス権を与える機能です。リンクするのは自分が所有し信頼しているデバイスに限定し、詳しくは公式の「Using Claude Cowork safely」を確認しておきましょう。

必要なもの

Claudeのデスクトップアプリとモバイルアプリ(ディスパッチはWindows / Mac / Linuxに対応。ただしコンピュータユースはWindows / Macのみで、Linuxベータでは利用できません)

ProまたはMaxプラン(ディスパッチは有料ユーザー向けのベータ機能)

セットアップ

コンピュータでClaudeデスクトップアプリを開く

Coworkモードになっていることを確認

ディスパッチ機能をクリック

画面の指示に従ってデバイスを接続

ディスパッチがアクセスできるもの

ディスパッチが便利なのは、あなたが普段PCで使っているものすべてにアクセスできるClaudeインスタンスが、デバイス上で動くからです。アクセス経路は3種類あります。

① コンピュータ上のファイル。「ドキュメント」「ダウンロード」など、デスクトップにあるものを読めます。セットアップ後、フォルダごとに標準的な権限ダイアログが表示されるので、問題なければ許可します。

② 接続済みのアプリとツール(コネクタ)。Gmail、Slack、カレンダー、Driveなど、Coworkにリンクしたコネクタは直接接続です。画面には何も表示されず、完全にバックグラウンドで動作。未読メッセージや次のミーティングを数秒で引き出せます。なお、Claude in Chromeはブラウザ内のタブで動くので、あなたはPCや他のタブを同時に使い続けられます。

③ コンピュータユースによる直接操作。ネイティブアプリが必要なタスク——PDFエクスポートのためのPowerPoint、スライド編集のためのKeynote、何年も前にAPIなしで作られた社内ツールなど——では、Claudeがアプリを開いてクリック・入力・メニュー操作を行います。ただし、Claudeが作業している間はスクリーンが使用されます。コンピュータユースはオプトイン(選択しなければOFF)で、OFFの場合ディスパッチはスクリーンなしで動作し、カーソルとキーボード操作が必要なアプリにはアクセスしません。

実際のワークフロー:スマホから完結させる

例として、こんな指示を考えてみます。

「デスクトップに『Northgate Strategy』というPowerPointファイルがあります。PDFにエクスポートして、今日午後2時のカレンダー招待に添付してください。」

Step 1:接続してメッセージを送る。デスクトップアプリでディスパッチのセットアップを済ませたら、モバイルアプリでClaudeを開き、ディスパッチをタップして、やってほしいことを伝えます。ツールがどこにあるか、何を返してほしいかを詳しく指示するほど、Claudeはスムーズに動きます。

Step 2:Claudeがツールとコンピュータを使い分ける。カレンダーは接続済みサービスなので、ミーティングの特定は瞬時・バックグラウンドで完了。一方プレゼンアプリにはコネクタがないので、Claudeはコンピュータユースでアプリを画面上で開き、ファイルを読み込み、PDFをエクスポートして保存します。

Step 3:スマホで結果を確認する。作業が終わると、ディスパッチのスレッドに返信が届きます。カレンダー招待を開いて添付を確認し、もし間違い(違うファイル、違うミーティングなど)があれば、同じスレッドで修正内容を返信すればClaudeが直します。

試してみたい使い方4選

出社前に状況ブリーフィングを用意させる。通勤中にスマホからメッセージを送っておけば、席に着くころにはまとめドキュメントがPC上で待っています。Claudeは接続済みのカレンダー・受信トレイ・Slackを一度に収集。一度やってみて気に入ったら、「毎朝のスケジュールタスクにして」と伝えるだけで毎日自動化できます。

PCから離れている間にファイルを修正する。クライアントから修正依頼が来たのにノートPCが手元にない——そんなときはディスパッチに送れば、ClaudeがPC上でアプリを開いて修正。スマホで下書きを確認し、OKならそのままクライアントに送って完了です。

コネクタのないアプリを動かす。すべてのアプリにコネクタがあるわけではありません。デスクトップアプリ、PDFエディタ、連携機能のない社内ツールには、コンピュータユースが画面上でアプリを開き、人間と同じように作業します。コネクタより遅いですが、コンピュータユースにしかできない領域です。

長時間タスクの進捗をスマホから確認する。何時間もかかる処理をPCで走らせているとき、隣で待つ必要はありません。どこからでもディスパッチにメッセージを送れば、Claudeが完了状況を確認し、次のステップを開始し、入力が必要ならあなたに聞いてきます。「PC上の動画エクスポートが終わったら、手順の次に進めて」といった指示も可能です。

知っておくべきこと

利用前に押さえておきたい注意点がいくつかあります。

コンピュータはClaudeアプリを開いた状態で起動している必要がある。ディスパッチはあなたのデバイス上で動くため、PCがスリープしたりアプリを閉じたりすると、再起動までタスクを受け取れません。スリープ解除の設定で回避できます(PCの電源を切っても作業を続けたい場合は、後述のクラウドセッションという選択肢もあります)

コンピュータユースは作業中スクリーンを占有する。ただし、いつでも中断できます

画面経由の作業は直接接続より時間がかかる。コネクタはツールから直接データを引き出しますが、Claude in Chromeやコンピュータユースでブラウザ・アプリを操作する場合は、より時間がかかる可能性があります

スレッドは1本のみ。ディスパッチのやり取りはすべて単一の継続スレッドに集約され、複数スレッドの作成・管理はできません。その代わり過去のタスクの文脈を保持しているので、「さっき見つけたファイルを使って」といった指示が通ります。

メモリ機能がある。ディスパッチは取り組んだ内容を記憶し、ファイルとしてPCにローカル保存します。2台のコンピュータで使う場合、それぞれが独自のメモリを持ちます

クラウドセッションとの違い(2026年7月アップデート)

2026年7月から、Claude Cowork自体がWeb・モバイルにも展開され(Maxユーザーからベータ提供中)、「クラウドセッション」でタスクを実行できるようになりました。こちらはAnthropicのサーバー上で動くため、ノートPCを閉じたり電源を切ったりしても作業が続きます。

一見ディスパッチと似ていますが、実行モデルがまったく異なります。使い分けの目安はシンプルです。

ディスパッチ: あなたのPC上で実行。ローカルファイル、デスクトップアプリ、コンピュータユースが使える。ただしPCが起動していてClaudeアプリが開いている必要がある

クラウドセッション: Anthropicのサーバー上で実行。PCがオフでも動き続け、スケジュールタスクもデバイス不要で実行できる。ただしあなたのPC内のローカルファイルやネイティブアプリには触れない

つまり「PCの中にあるもの」を使う仕事はディスパッチ、「PCがなくても完結する」仕事はクラウドセッション、と覚えておけばOKです。両者は置き換えではなく併存する機能です。

まとめ

「PCの前にいないと進まない仕事」を、スマホから投げて片付けられるのがディスパッチの本質です。コネクタでつながるツールはバックグラウンドで高速に、コネクタのないアプリはコンピュータユースで人間のように操作する——この使い分けで、外出先からでもタスクをエンドツーエンドで完結できます。現在はベータとして開発が続いているので、まずは朝のブリーフィングのような軽いタスクから試してみるのがおすすめです。

参考文献

こちらの回答で解決しましたか?