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AI活用の属人化を防ぐ:Excelマクロ沼 vs プロセス共有の教訓

Excelマクロ職人頼みの会社は、スピードと柔軟性の代償として属人化リスクを抱えます。AIも同様に、個人のプロンプトだよりにせず、APIやワークフローに組み込むことで、企業は手順とデータを共有し、全社的な学習サイクルの高速化が期待できます。

一週間前以上前にアップデートされました

1. はじめに

Excel 時代に経験した「マクロ職人依存 vs プロセス共有」の教訓は、AI 時代にそのまま拡大されます。個人ツールとしての AI で満足するか、業務プロセスに組み込み組織的な学習ループを構築するかで、数年後の競争力には決定的な差が生まれます。

そもそもExcelの情報というのは、どこからか入手したものを手で入れていることが多く、その処理に多くの条件を”後から”つけていることが多いです。

データを受け取る時に最初から条件をつけたり、データが変るときにデータのチェックを自動で入れるなどの処理をワークフローの中で行うことでまとめてマクロで処理する等が不要になります。

2. なぜAIで属人化が再来するのか

  • 自分専用のプロンプト:各自が ChatGPT や Copilot に独自プロンプトを溜め込み、自分専用ワークフローを作成。退職・異動でノウハウが雲散霧消。

  • ブラックボックス化:生成結果の根拠(プロンプト/データソース)が共有されず、監査や改善が困難。

  • データ分散:フィードバックが個人端末やブラウザに閉じ、モデル改善に活かせない。

3. プロセス組み込み型のメリット

  • 再現性と監査性:APIやプラットフォームの自動を活用し、ログを残すだけで監査対応が容易。

  • 継続的学習:プロンプト・モデルをリポジトリ管理し、バージョン差分をトラッキング。

  • 指数関数的スケール:全社データで学習するため改善速度が個人利用の比ではない。

比較表

観点

個人利用AI(Excelマクロ型)

プロセス組み込みAI(SaaS型)

主な実装

各自がChatGPT/Copilotを直接利用

プラットフォーム内/API/コネクターでワークフローに統合

知識共有

口頭・共有ファイル依存

プラットフォームで

プロンプト/モデルを管理

監査・ガバナンス

困難:根拠が残らない

ログと権限管理で容易

改善サイクル

個人の手作業

全社フィードバックで学習し改善

リスク

退職=ノウハウ消失

プロセスに残るため継続可能

期待効果

短期的な効率

中長期で指数関数的成長


4. 次に取るべきアクション

  1. ワークフローを構築できるSaaSの選定

  2. 業務マップ作成:AI を挟み込める既存フローを棚卸し。

  3. PoC 実施:低リスク領域(例:定型レポート生成)から API 連携を試行。

  4. 教育とガバナンス:利用ガイドラインと監査ルールを策定。


「Excel マクロ沼」を経験した私たちは学びました。属人技に頼らずプロセスに落とし込んだ企業が勝つ――AI も全く同じです。

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