Only 4% of executives report AI ROI. Learn why.
AI導入はこの1年で一気に広がりましたが、実際には「期待した成果が出ていない」と感じる企業が多いのも事実です。
Atlassianが12,000名のナレッジワーカーとFortune1000のエグゼクティブに行った調査では、96%のリーダーがAIのROIを実感できていないという結果でした。
一方、現場は確かにAIで効率化しています。生産性は33%アップ、1日1.3時間節約など、個人の業務効率は明らかに改善しています。それでも組織成果に繋がらない理由として、
適切なAIツールへのアクセス不足
使いどころが不明確
セキュリティ/コンプライアンスへの懸念
が挙がっています。また、部門によって感じ方や進み具合にも違いがあります。
CMO(Chief Marketing Officer:マーケティング責任者)は分析・レポート領域でAIの効果を強く実感
CHRO(Chief Human Resources Officer:人事責任者)はキャリア開発や社内モビリティでAIの可能性を高く評価
CIO(Chief Information Officer:情報システム責任者)はセキュリティとデータガバナンスを最重要視し慎重姿勢
この“温度差”も、全社最適が進まない理由の一つになっています。
では、企業がAIの効果を引き出すには何が必要なのでしょうか。
レポートでは次の4つを推奨しています。
1. データをAIが扱いやすい状態に整える(Data hygiene)
AIの性能はデータの質に大きく左右されます。部門単位ではなく、全社でデータ整備を進めることが重要。
2. AI導入率より、成果指標(効率・イノベーション)を追う
「AIをどれだけ使ったか」ではなく、「何が改善されたか」を測ることが本質的。
3. ガバナンス(安全性)と実験(スピード)のバランスを取る
IT部門はどうしても慎重になりがちですが、他部門はスピーディにAIを試したい。
安全なサンドボックス環境を整えるなど、中間解を作ることが効果的。
4. 完璧を目指さず“まず試す文化”をつくる
成功企業は、とにかく小さく素早く実験し、成功例を横展開しています。
ただの「活用」ではなく、組織に成果を返すAI活用ができるようになるポイントです。
2025年は、AI導入フェーズから「AIで成果を出すフェーズ」に移るタイミングでした。
技術だけでなく、組織文化・データ整備・ガバナンスの仕組みづくりが、これからの企業に求められる基盤になりそうです。これはアメリカのレポートのため恐らく日本がこのような動き(が必要)をするのが2026年以降と思われます。
