Atlassian Rovoで「レビュー」を先回りする
― レビュアーの思考を理解するという新しいユースケース ―
あるチームでは、仕様書を公開・共有する前に、マネジメント層やシニアメンバーによるレビューが必須となっていました。
レビューを受ける側にとっては、
指摘されやすい論点が事前に分からない
レビュアーごとに観点や重視点が異なる
修正が後手に回り、やり取りの回数が増える
といった課題がありました。
そこで、仕様書を提出する前段階で、レビューそのものを前倒しできないかという発想に至りました。
発想の転換:レビュアーの思考を事前に把握する
着目したのは、「レビュアーの思考スタイル」です。
もし、特定のレビュアーが
どのような観点で仕様を読み
どのような思考プロセスで判断し
どのような指摘を行う傾向があるのか
を事前に把握できれば、レビュー前に品質を高めることが可能になります。
そこでRovoに対し、次のような依頼を行いました。
「[レビュアー名]のユーザーキャラクターを分析してください。
*[レビュアー名]は@メンションでユーザを指定
・思考過程の特徴
・レビュー時の判断パターン
・過去に多く見られるコメントの傾向」
Rovoによる分析:Confluence上の実データを活用
RovoはConfluenceと深く統合されているため、単なる推測ではなく、実際の業務データに基づいた分析を行いました。
具体的には、
当該レビュアーが最近レビューした仕様書
複数ドキュメントにわたる過去のレビューコメント
指摘内容の傾向や論点の優先順位
といった情報を横断的に解析しました。
その結果、
「このレビュアーは、どの観点を重視し、どのような論理で指摘を行うか」
という点が、明確な形で整理されました。
次のステップ:レビューパターンを用いた事前レビュー
分析結果を踏まえ、次に以下の依頼を行いました。
「このレビューパターンを用いて、現在の仕様書をレビューしてください」
Rovoは、抽出した思考パターンと指摘傾向をもとに、仕様書をレビューし、
実際のシニアレビュアーと極めて近い観点のコメントを提示しました。
これにより、正式なレビューに提出する前段階で、主要な指摘点を把握・修正することが可能になりました。
得られた効果
この取り組みによって、以下の効果が確認できました。
仕様書の完成度が事前に向上
潜在的な問題点の早期発見
シニアレビュアーのレビュー工数削減
レビューは「指摘を受ける工程」から、
品質を事前に高めるためのプロセスへと変化しました。
Rovoの本質的な価値
このユースケースを通じて明らかになったのは、
Rovoが単なる検索や要約のツールではないという点です。
人ごとの思考パターン
暗黙知となっている判断基準
組織内に蓄積されたレビューの癖
こうした情報を構造化し、再利用可能な形で活用できる点に、Rovoの本質的な価値があります。
特に、
レビューが属人化している組織
シニアメンバーの時間がボトルネックになっているチーム
レビュー品質を安定させたい開発組織
において、有効性の高いユースケースと言えるでしょう。
Atlassian Teamworkgraph
Rovoのこのユースケースは、ConfluenceやJiraで実際にレビューする人の情報を正確に読み取っているからできることです。この根底にあるのが、Team workgraphというアトラシアン独自のフレームワークにあります。
一般的で無機質な情報だけをRAGに取り込んでも、その情報を誰が、どのような状況やタイミングで発言・判断したのかが分からないため、コンテクストを正しく理解することができません。
そのため、「誰が」「いつ」「どの立場で」関与したのかといった情報を含めたデータが必要になります。
この点は、AtlassianのTeamwork Graphによって実現可能です。
ただし、それを活かすためには、日頃からドキュメントやチケットに対して、上司や関係者のコメントや判断理由がきちんと残る運用を意識することが前提になります。
RovoはConfluenceやJiraをしっかり使う中でさらに自分の業務をアシストしてくれるAIチームメイトです。
貴社の状況に合わせた導入や活用についてのご相談は、
下記よりお問い合わせください。

