バラバラの返信メールを、1つのイベント管理表に:ClaudeのGmail連携で作るスピーカートラッカー
イベント運営で地味に消耗するのが、返信メールの回収と転記です。こちらは統一した件名で招待を送ったのに、返ってくるメールは「いいですね!」の一言だったり、昔の別スレッドへの返信だったり。それを1通ずつ開いて、名前・登壇テーマ・機材要望をスプレッドシートに手で写していく——。Claude公式のユースケース集に、この作業をGmail連携+ファイル作成で丸ごと任せる方法が載っていたので、整理します。使用モデルはSonnet 4.5、拡張思考とコネクタを使います。
何ができるのか
Claudeはメールというツールに情報源のレベルで接続し、複数の非構造化ドキュメントを同時に処理して、フォーマットのバラバラなデータを抽出し、すぐ使えるスプレッドシートに変換します。
紹介例は、3月の年次カンファレンスの運営者。3週間前に約45人へ「Speaker Invitation: Summit 2025」という件名で登壇依頼を送ったものの、返信の件名は人それぞれという状況です。
Gmailから登壇者の承諾メールを検索して、次を抽出して:氏名と会社、承諾したセッションテーマ、時間帯の希望(あれば)、A/V(音響映像)の要望、移動手配の話が出ていればそれも、経歴書と顔写真を送ってきたかどうか。
来週アジェンダを確定します。数式、色分けセル、明確なセクションを備えたトラッカーを作って。Excelのテンプレートを埋めたような見た目ではなく、ブティックデザインスタジオがデータビジュアライゼーション作品として作ったような、エディトリアルで洗練されたタイポグラフィと配色に。固定ヘッダー、ソート可能な列、動く数式も入れて。
セットアップ
「設定 → コネクタ」でGmail連携を有効化し、チャットバーでもオンになっていることを確認するだけ。これでClaudeが最近のメールを検索し、イベント関連の詳細を抽出し、追跡したいロジ情報を整理できるようになります。任意で拡張思考をオンにすると、複雑なタスクの完成度が上がります。
返ってくるアウトプット:38通の返信が4タブの管理表に
紹介例では、Claudeが受信トレイから38件の登壇承諾を発見し、こんなトラッカーを返してきます。
概要:38名の登壇者で32セッション(うち6つは複数登壇のパネル)。午前14/午後18セッション。ライブデモや動画を伴う複雑なA/Vが8セッション——リハーサル時間が必要。標準のスライド発表が24。経歴書と顔写真が未提出の登壇者が11名。
タブ構成は4つです。
Speaker Directory:全員の氏名・会社・セッションタイトル・時間帯希望・A/V要件を一覧。経歴書の提出状況は色分け(提出済み=緑、未=黄)。移動手配は言及があった人にだけメモ
Production Overview:時間帯別のセッション数を自動集計する数式付き。技術要件を複雑度(高/中/標準)で分類してあるので、部屋割りを戦略的に決められます——高複雑度の8セッションはフル制作サポートのあるメインルームへ、という具合
Technical Production:A/Vベンダーにそのまま送れる体裁。リハーサルが必要なセッション、機材要件、複雑度スコアを整理
Materials Tracking:経歴書未提出の11名を連絡先付きでリスト。登壇日順にソート済みなので、初日の登壇者から催促の優先順位が付けられます
ここで効いているのが、Claudeの検索がキーワード一致を超えて文脈を理解すること。件名がバラバラでも、古いスレッドへの返信でも、「これは登壇承諾だ」と判断して拾ってくれるわけです。
フォローアップの3つの使い方
① トラッカーからカレンダー登録。Googleカレンダーを接続していれば——「確定した各セッションのカレンダーイベントを[開催日]に作成して。トラッカーから登壇者名・セッションタイトル・所要時間を抽出して、ロジを視覚化できる仮スケジュールをカレンダーに入れて」。
② 催促メールの一括下書き。「経歴書未提出の11名に、それぞれのセッションテーマと締切に触れたフレンドリーな催促メールを書いて。複雑なA/Vの8セッションには、技術チームとのリハーサル日程調整について別のメールを下書きして」——似たメールを人数分書く反復作業はClaudeが担い、レビューと個別調整、送信はあなたが行う分担です。
③ 集計を「動く数式」に作り直させる。もし合計値がハードコードされていたら——「登壇者数とセッション合計は静的な数字ではなく =COUNTIF() や =SUMIF() の数式にして。登壇者を追加したりセッション種別を更新したりしたら、すべて自動で再計算されるように」。
うまく使うためのコツ
受信トレイの検索方法を具体的に指定する。Claudeは文脈を理解するので完全一致キーワードは不要ですが、何を探しているかの明確な方向付けは必要です。「重要なメールを探して」ではなく「登壇者からのセッション要望に関するメール」「先週の請求関連の顧客メール」のように。何が重要かの文脈を渡すほど、フィルタリングの精度が上がります。
プレビューではなく実ファイルを開く。チャット内のプレビューは基本構造しか見せません。数式・色分け・書式は実際のスプレッドシートファイルにあります。ダウンロードして開けば、完全な出力を確認でき、そのまま編集を続けられます。
まとめ
このユースケースの本質は、「メールという非構造データの海」から「構造化された管理表」への変換を、検索・抽出・整形の3工程まとめて任せられることです。しかも出来上がるのは単なる一覧ではなく、「部屋割りの判断材料(複雑度分類)」「ベンダーにそのまま送れるシート」「催促の優先順位が付いた未提出リスト」という、次のアクションが埋め込まれた管理表。展示会後のリード回収、セミナーの参加者管理、採用の候補者対応など、「バラバラの返信を表にまとめる」あらゆる場面で流用できる型です。
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