メインコンテンツにスキップ
すべてのコレクションBlog
エンドユーザーコンピューティング型AIとプロセス組み込み型AIの運用上の差異
エンドユーザーコンピューティング型AIとプロセス組み込み型AIの運用上の差異

エンドユーザーコンピューティング型AI(以下、EUC型AI)とプロセス組み込み型AI(以下、プロセス型AI)は、AI活用の目的や導入方法によってそれぞれ異なる利点と課題を持ちます。両者の運用上の違いを整理しています。

Yoshiya Takabayashi avatar
対応者:Yoshiya Takabayashi
5か月以上前に更新

ChatGPTのような個人で利用可能なAIツールは、Excelのように誰でも手軽に使えるツールとして急速に普及しています。ただし、AIを正しく活用するためには、各自がプロンプトスキルを向上させる必要があります。このようなツールの普及に伴い、Excel同様、ユーザー間で能力差が顕著になりつつあります。

今後、企業がAIを効果的に活用するためには、個人のスキルに依存するだけでなく、AIを業務プロセスに組み込む仕組みづくりが重要になります。以下では、エンドユーザー型AIとプロセス組み込み型AIの運用上の違いや課題について整理しています。

1. EUC型(エンドユーザ型)AIの課題

属人化の問題

  • 活用が個人のスキルや意欲に依存しやすい。

  • プロンプト作成や操作技術の習得が個人任せとなり、スキル格差が生まれる。

  • 開発されたノウハウやツールが特定個人に紐づき、組織全体での共有や活用が困難。

運用上の制約

  • 業務改善が部分最適化にとどまり、全体最適化につながりにくい。

  • ツールの利用が現場レベルで固定化し、柔軟な改善やプロセス変更の妨げになる可能性。

  • データの整合性や信頼性に問題が発生しやすい。

管理上のリスク

  • 個別管理となり、セキュリティや運用の統制が難しい。

  • シャドーITの問題が発生し、組織全体のITガバナンスを乱すリスク。

  • 更新や保守が個人に依存するため、長期的な継続性が課題。


2. プロセス型AIのメリット

組織的な活用

  • 業務プロセスに組み込まれることで、関係者全員がAIを自然に活用可能。

  • プロセス全体の最適化が実現し、組織全体での効果を引き出せる。

  • 既存システムとの統合が進み、業務全体の効率化が促進される。

効果測定とフィードバック

  • AI活用の効果測定が容易で、具体的な指標で成果を可視化可能。

  • リアルタイムで意思決定支援や業務効率向上が期待される。

  • 組織的なフィードバックが可能で、AIの継続的な改善サイクルを構築しやすい。

管理の効率性

  • 組織的な管理体制下で運用され、セキュリティリスクを軽減。

  • システム全体の一部として保守・運用されるため、安定性が高い。

  • 定期的なアップデートや改善が計画的に実施可能。


3. 運用管理の違い

観点

EUC型AI

プロセス型AI

活用範囲

個人依存で活用が部分的

プロセス全体に組み込まれ、全体最適化が可能

運用負担

個人が自己管理、属人化しやすい

組織的な管理体制で効率的に運用可能

改善と更新

フィードバックが個別的で改善サイクルが遅い

効果測定が容易で組織的改善が促進される

セキュリティ

シャドーITやデータ統制の課題が発生しやすい

ガバナンスが効き、セキュリティリスクが軽減


4. 今後は徐々にAIをプロセスに組み込む必要がある

AI技術の進化により、EUC型AIとプロセス型AIの利点を組み合わせた統合的なアプローチが期待されます。たとえば、プロセス型AIを基盤に、業務の効率化を図る一方、個人の創造性や柔軟な発想を引き出すためにEUC型AIを活用する仕組みづくりが重要です。

これにより、全体最適化と部分的な創造性の両立が可能となり、より高い組織パフォーマンスが実現すると考えられます。

こちらの回答で解決しましたか?