企業向けAIをスタンドアロンの製品として導入すると、うまく活用できず失敗しがちだ。
企業のデータは日々変化しており、AIがそのデータと適切に連携できなければ、正しい判断や最適な提案はできない。
例えば、顧客対応AI(チャットボット) を導入したものの、最新の問い合わせ履歴や製品情報が反映されていなかったため、顧客に誤った情報を案内し、結果としてクレームが増加した企業がある。また、在庫管理AI を導入した小売業では、システムがリアルタイムの売上データを取得できず、売れ筋商品の補充が遅れ、機会損失が発生したケースもある。
AIは高性能なブースターのようなもので、適切な燃料(データ)がなければ正しく機能しない。 最新の顧客対応データを学習しないAIは的外れな対応をしてしまい、古い売上データをもとに分析するAIは不正確な予測を出してしまう。企業AIの精度は「データの質 × 更新頻度」に依存しており、社内データが適切に整理・更新されていないと、その価値は大きく低下する。
社内のコンテンツをAIの学習に紐づけておけば日々データは更新される
CSV等でのデータのアップロードが不要となる
一方で、OCR(文字認識)や自動翻訳のようにスタンドアロンでも機能するAI もある。例えば、ドキュメント処理の効率化を目的にAI OCRを導入し、過去の紙ベースの書類をデジタル化するだけなら、外部データとの連携が不要なため問題なく機能する。しかし、業務改善や意思決定に活用するAIは、社内のリアルタイムデータと連携させることが必須だ。
つまり、AI導入の成功には、「AIを単体のツールではなく、データとセットで活かす」という視点が欠かせない。データ連携の仕組みを整えずにAIを導入すると、期待した成果が出ないどころか、業務の混乱を招くリスクもある。