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タスク管理だけでは目的は達成できない ― Jiraで実現する構造的プロジェクト運用

タスクを管理するだけでは成果に繋がりません。Jiraにおける「イニシアチブ(Initiative) → エピック(Epic) → ストーリー(Story) → タスク(Task)」の構造で、目的から逆算した実行管理を行うことでチームメンバーが目的を失わない管理が可能となります。

今週アップデートされました

タスクを管理しようとしても目的は管理できない

「最初に、タスクを管理しようとしても目的は管理できない」

タスクは上位目標を実現するための手段であり、それ単体では成果を保証しません。

アジャイル開発では、「イニシアチブ → エピック → ストーリー → タスク」という構造を活用することで、上位の経営戦略やユーザー価値を現場の実行レベルに落とし込むことができます。

タスクだけを目的に関連させずに発行しつつづけると、オーファンドチケット(未対応チケット)という迷子のチケットが発生しやすくなり管理負荷が上がります。

オーファンドチケット(未対応チケット)の整理と対応フロー改善

タスクの管理のためには階層で作業を管理する必要があります。

また、Jira Plan(旧Advanced Roadmap)を活用することで、複数プロジェクトやチームを横断した階層管理が可能です。戦略と現場の整合性を保つ鍵は、目的を構造化し、それに基づいて作業を設計・追跡することにあります。

目的ドリブンなチーム運営に、構造的アプローチを。Jiraなら、それが可能です。

📐 構造で理解する:イニシアチブ(Initiative) → エピック(Epic) → ストーリー(Story) → タスク(Task)

以下は、アトラシアンをはじめとする信頼性の高い情報源に基づいて整理したアジャイルにおける階層構造の概要です。

ユーザーストーリーの例 | アトラシアンアジャイルコーチ

イニシアチブ(Initiative) → エピック(Epic) → ストーリー(Story) → タスク(Task)を日本語で言うと

英語

日本語の例(意味・説明)

Purpose/Vision/Object

目的/目標等

Initiative

構想/全体戦略/大目標(複数のエピックを束ねる上位目標)

Epic

施策/テーマ/中目標(大きな機能単位や施策単位)

Story

ユーザーストーリー/機能要件/小目標(ユーザー視点のニーズや要求)

Task

作業項目/タスク(具体的な実行作業)

どのように使うか?

✅ ケース1:新しいEコマースプラットフォームの構築

概念

説明

例(Eコマースプラットフォーム構築)

イニシアチブ

複数のエピックを束ねた、長期的かつ戦略的な目標。経営レベルの目的に相当。

「2025年末までにオンライン売上を2倍にする」

エピック

複数のストーリーで構成される中規模の作業単位。部署横断的な取り組みにもなる。

「商品検索機能の改善」「決済体験の最適化」

ストーリー

ユーザー価値を軸とした小さな機能や要求。スプリント内で完了可能。

「キーワード入力補完機能の追加」「決済画面のエラー表示改善」

タスク

ストーリーを構成する個々の実作業。担当者レベルで具体的なToDo。

「検索APIのパフォーマンス改善」「UIモックアップ作成」「ユニットテスト実装」

✅ ケース2:社員オンボーディングプロセスの改善

概念

説明

例(オンボーディング改善)

イニシアチブ

組織全体の長期的目標。人材定着率や生産性向上と結びつく。

「新入社員の3か月以内の離職率を半減する」

エピック

主要な施策や施行ブロック単位。複数部門で対応することも。

「オンボーディングガイドの刷新」「メンター制度の導入」

ストーリー

ユーザー視点でのニーズや改善ポイント。HR・マネージャーなどの関与あり。

「入社1週目の業務フローを可視化」「メンターの活動内容を体系化」

タスク

ストーリー内で必要な実務タスク。資料作成、レビュー、調整など含む。

「初日スケジュールのテンプレ作成」「説明会資料のリライト」「メンタートレーニング日程調整」

🔍 補足
ストーリー=「ユーザーが得る価値の表現」
タスク=「開発者の作業指示」
という視点で区別されます。

Atlassian ストーリー、エピック、イニシアチブ

このシンプルな構造が、アジャイルチームのスムーズなスコープ管理と業務の体系化に役立ちます。

ユーザーストーリーの例 | アトラシアンアジャイルコーチ

🧭 管理の正しい順番:目的からタスクへ落とし込む流れ

アジャイルにおける「構造的な目的ドリブン管理」の理想的な順序は以下の通りです。

イニシアチブ(Initiative) → エピック(Epic) → ストーリー(Story) → タスク(Task)

  1. Vision/Goal(目的) を策定する

  2. 目的をチームや組織が共有可能なイニシアチブ(Initiative) へ分解

  3. イニシアチブをエピック(Epic)へ分割し、スコープと期限を定義

  4. ユーザー視点で機能を整理したストーリー(Story)へ落とし込む

  5. ストーリーに基づく実作業をタスク(Task)/サブタスク(SubTask)として具体化

🎯 この階層を持つことで、上位目的と現場作業のズレを最小限に保ち、整合性のあるチームワークと成果が可能になります。

🛠 Jiraでの活用方法(最新情報対応)

概念

Jira上での管理方法

イニシアチブ

Plans(旧Advanced Roadmaps) を使用して設定/可視化可能

エピック

Epic課題タイプとして標準機能で作成可能

ストーリー

Story(ユーザーストーリー)課題タイプで作成

タスク

Task/Sub-task/Spikeとして割り当て可能

📌 Jira Premium または Enterprise プランでは、「Plans(旧Advanced Roadmaps)」機能を使うことで、イニシアチブ〜タスクまでの全階層をビジュアルに一元管理できます。

🧩 まとめ:タスク管理に「上流の意図」を組み込む

「目的を見ずにタスクだけを管理しても、チームは迷子になる。」

プロジェクト管理での大切なのは、単にタスクを並べることではなく、それが“なぜ存在するのか”を構造として組み込むこと。

イニシアチブ → エピック → ストーリー → タスク という階層構造は、
個々の行動を全体目標にリンクさせるための「翻訳装置」です。

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