なぜ「AIコンサル」スタートアップが増えているのか
ここ1〜2年で、「マッキンゼーのライト版をAIで」「経営企画やアナリストをAIで置き換える」といったスタートアップが一気に増えました。
背景はシンプルで、
生成AIが スライド作成・リサーチ・要約・仮説出し をかなりの精度でこなすようになった
でも大手ファームのフィーは依然高く、中堅〜SMBには手が届かない
そこで「AI+少人数のコンサル/エンジニア」でスケーラブルに提供しよう
という流れです。(Business Insider)
以下では、「AIがコンサルっぽいことをやる」代表的な7社をざっと押さえます。
1.Xavier AI:戦略スライドを量産する“AI戦略コンサル”
何をしてくれるか
料金イメージ(2025年11月時点)
無料プラン:月50スライド程度まで
Starter:19ドル/ユーザー/月(約200スライド)
Pro:79ドル/月(約2,000スライド)
Enterprise:要問い合わせ(統合・オンプレ等含む)(saasworthy.com)
いずれも「集客用メディアの価格情報」であり、契約前は公式サイトでの確認必須。
ユースケース・ケース
中小企業が事業計画書や投資家向けピッチを短時間で作る
営業チームが提案書のたたき台をAIで作り、人間が微修正するワークフロー
マーケチームが週次でキャンペーン案と資料を量産する、など。(AIPURE)
2.NexStrat AI:経営陣向けのAIマネジメントコンサル
何をしてくれるか
料金イメージ
GoodFirms等によると、Free版とFree Trialあり。商用利用は「Contact Vendor(見積り制)」で、従業員数・ユースケースに応じて変動。(goodfirms.co)
実質的にはエンタープライズSaaSの価格帯(年契約)と思っておいた方が安全そうです。
ユースケース・ケース
グローバルTech企業のStrategy & Transformationチームが、
事業ポートフォリオの再構成
イニシアチブごとの優先順位付け
戦略レポートやステアリングコミッティ用スライドの自動生成
に使っている事例がサイト上で紹介されています。(NexStrat)
3.Consulting IQ:月9ドルからの“SMB向けAIビジネスコンサル”
何をしてくれるか
「Your AI Business Consulting Partner」を掲げる中小企業向けAIコンサルSaaS。(Consulting IQ)
5,000本以上のビジネス用プロンプトとテンプレを持ち、データをアップロードすると戦略・オペレーション・マーケ・人事などの相談に24/7で応答する。(Business Insider)
医療クリニックやボートレンタル業者などの事例では、週15〜20時間の業務削減につながったという声も。(Consulting IQ)
料金イメージ
Business Insiderによると、サブスクは月9ドル〜の価格帯でスタート。(Business Insider)
パートナーシップとして、Visa・Mastercard・JPMorgan Chase等と組み、SMB向けに提供している。(Business-News-Today.com)
ユースケース・ケース
小規模クリニック:
価格設定、スタッフ配置、マーケ施策の見直しなどをAIと一緒に検討し、オーナーの稼働を削減。(Consulting IQ)
小規模宿泊業・レンタルビジネス:
繁閑期の料金戦略やキャンペーン設計をAIに相談しながら決める、といった使い方。
4.PromptQL:社内“AIアナリスト/AIエンジニア”を作る基盤
URL:https://promptql.io(HasuraグループのAIプラットフォーム) (PromptQL)
何をしてくれるか
料金イメージ
フリープラン+有料プランの階層モデル。無料枠はクエリ数に制限があり、商用利用ではクエリ上限・機能・サポートレベルに応じた課金。(Complete AI Training)
LLM利用分は、AnthropicのAPIトークン単価に連動しつつ、PromptQL側の最適化をかける仕組みで、実質「基盤利用料+トークン従量課金」という構造。(Hasura)
ユースケース・ケース
グローバルQSRチェーン(約4万店舗):
売上・トランザクションデータの上に「AI Analyst」を載せ、現地チームが自然言語で高度な分析を回せるようにしたケース。(PromptQL)
Fortune 100テック企業のGTM OS:
50以上のSalesforceインスタンスをはじめとする分断データを統合し、セマンティックな“Supergraph”の上にAIを載せた事例。(bizinfopro.com)
ヘルスケア企業の予約業務自動化:
放射線検査の予約コード選択の自動化により、1億ドル級のインパクトを見込むとするケーススタディも。(zenml.io)
「自前のAIコンサル会社を作るための基盤」で、AIがアナリストや業務コンサルの一部を代替する形
5.Profound:AI検索時代の“ブランドコンサル”を代替
何をしてくれるか
料金イメージ
公式サイトではエンタープライズ向けカスタム価格のみが明記されており、グローバルブランド向け想定。(Profound)
複数のレビューでは、最安プランが月499ドル〜という情報もあり、プレミアムなポジション。(AI Technology News)
ユースケース・ケース
大手ブランドが、
「ChatGPTに聞いた時に、うちのブランド名がどれくらい答えに出てくるか」
「競合比でどのくらい“AI内シェア”を取れているか」
を定量的に追い、コンテンツ戦略やPR戦略を調整する用途が中心。
6.Dialogue AI:AIインタビュアーが行うユーザーリサーチ
何をしてくれるか
AIモデレーターが同時に大量のユーザーインタビューを実施する、リサーチ専用プラットフォーム。(Insight Platforms)
調査設計・リクルーティング・インタビュー・一次分析・レポートまでを一気通貫で自動化し、「従来のリサーチ会社+コンサル」でやっていた仕事の大部分を代替する方向。(Business Insider)
料金イメージ
2025年のシード調達記事によると、スタートアップ向けの手頃なプラン〜Fortune 500向けエンタープライズプランまで3階層だが、具体的な金額は非公開。(Business Insider)
典型的なエンタープライズSaaSと同様、年契約+利用量ベースのモデルとされています。(Business Insider)
ユースケース・ケース
Nextdoor・Square・Wayfairなどがクライアントとして名指しされており、
1つのスタディあたり約7時間の工数削減につながった例も紹介。(Business Insider)
「ユーザーインタビューをやりたいが、リサーチ部門や外注予算が足りない企業」にとって、人間リサーチャーの前段をAIに任せるイメージです。
7.Parable:社内の“時間の使い方”を見える化するAIインパクト測定レイヤー
何をしてくれるか
「AI-Powered P&L for Company Time」として、
Google Workspace・Slack・Salesforceなどから数百万のアクティビティログを吸い上げ
会社全体の“時間の使い方”を見える化し
どこをAIで自動化すべきか・その効果がどれだけ出たか
を測るインテリジェンスレイヤー。(askparable.com)
料金イメージ
完全にエンタープライズ向けで、料金はすべて個別見積り(要デモ)。
大企業の全社導入を前提にしたプロダクトなので、コンサル+SaaSの価格帯と見てよさそうです。(askparable.com)
ユースケース・ケース
サンラン(Sunrun)社では、Parableの分析により8,000万ドルのコスト削減余地と2.5倍の時価総額成長につながる示唆を得たと報じられています。(PR Newswire)
CEOはこれを「“100万人のマネジメントコンサルタント”のプログラム版」と表現しており、まさに“AIがコンサルっぽいことをする”象徴的なプロダクト。(Traded)
どう使い分けるか
各社用途がかなり役割が違うので専門的なAIを試しながら業務に組み込んでいくことで業務のスピードアップ等を実現できると考えます。
スライド・資料系
戦略デッキ・事業計画:Xavier AI
経営企画・意思決定系
戦略共創・経営会議向けアウトプット:NexStrat AI
SMB向けライトな戦略・改善相談:Consulting IQ
データ分析・業務改革系
社内データに強いAIアナリスト基盤:PromptQL
時間の使い方とAI投資の効果測定:Parable
マーケ・リサーチ系
AI検索(ChatGPT等)でのブランド露出最適化:Profound
ユーザーインタビュー・市場調査自動化:Dialogue AI
価格や機能は2025年11月時点の情報
